「とりあえず最後まで読んだけどあの場面ってなんの意味が合ったんだろう」「この作品めちゃくちゃ好きだわ〜次も似たような作品を読みたいけど調べるのがめんどくさいな〜」
読書好きにはよくある悩みだと思いますが、この記事を読むと
①作中で出てくる伏線を理解する
②「リハーサル」の狂気名場面を振り返る
③「リハーサル」が面白かった人におすすめの本を知る
ことができます。
管理人は年間100冊以上小説等を読んでいるため、分かりにくい箇所を簡単にまとめて解説してみました。
最後にはジャンルの似ている本を紹介するので気になる人は是非チェックしてみてください!
あらすじ

花山病院の副院長・大矢は、自身の執刀した簡単なオペで致命的なミスを犯してしまう。その過ちを新任看護師のリカに指摘された彼は、保身のためにあろうことか事実の「隠蔽」を選択。しかし、それが地獄の幕開けとなった。
この日を境に、大矢はリカからの執拗で異様な付き纏いに翻弄されることになる。それと呼応するように、院内では看護婦長の転落事故をはじめ、陰惨な事件や不可解な事故が続発。リカの影がちらつく中で病院内は疑心暗鬼に包まれていく。
狂気はさらに加速し、ついには大矢の美しい婚約者・真由美までもが姿を消してしまう。
シリーズ第4弾にして、最も酸鼻(さんび)を極める幕切れ。純粋な狂気が一人の男の人生を徹底的に破壊していく、戦慄のサイコ・ホラー。
伏線と回収
伏線1:面接時に聞こえた舌打ち
→引用文
小児科は忙しいよ、と私は相川美奈子に微笑みかけた。〜中略〜
かすかな音がして、私は顔を上げた。二枚の硬貨を擦り合わせた時に出る音に近い。もっとはっきり言えば、舌打ちだ。〜中略〜
「そんなに堅く考えないでください」空いていた右手で、佳織が私の肩を撫でるようにした。〜中略〜
お気持ちだけで十分ですと微笑を浮かべた私に、連絡しますからと言って、佳織が診察室を出て行った。舌打ちの音が聞こえた。一度ではない。何度も何度もだ。〜中略〜
あの時、舌打ちに似た音を聞いていたが、何かの間違いだろうと思った。紹介の場で、舌打ちする者などいるはずもない。
だが、そうではなかった。あの時聞こえた音は、リカの口から発せられた舌打ちだった。不愉快なことがあると我慢できず、それが舌打ちになる。リカはそういう女だった。〜中略〜
何がリカを不快にさせたのか、それも今はわかっている。私が平等に三人の看護婦に話しかけたからだ。
伏線1に対する考察
当初は自分の勘違いかと考えた大矢だったが、リカが舌打ちしていました。
その後も、大矢が他の女性と親しくするたびに、異臭を漂わせながら舌打ちをかまします。
初対面の「ん?」という違和感を逃さないのは、本当に大切なことだと考えさせられました。

公の場で感情が抑えられないリカが怖いです。しかも理不尽…
伏線2:リカの体臭の変化
→引用文
体調に左右されるのか、日によってはまったく臭いを感じないこともあった。〜中略〜
かすかな異臭がしたが、それほど気にならなかった。体調あるいは精神状態によって、体臭に変化があるようだ。〜中略〜
異臭を感じて、私は窓を開けた。感情の抑えが利かなくなると、リカの体臭は濃くなる。しばらく前から、それに気づいていた。
伏線2に対する考察
リカの体臭は「精神状態や感情」に左右されるということが分かりました。
リカの体臭が濃くなる時=リカが興奮していたり、怒りを感じているということです。
「物理的距離を詰める × 歪んだ顔 × 早口で捲し立てる × 腐った卵&酢の体臭」
本当に逃げ出したくなりますね。
リカが警察に捕まりにくいのは、「特徴である体臭が変化すること」も一因かもしれませんね。
👇「リカの体臭の原因」を知りたい方はこちらの記事をどうぞ!👇

どういう仕組みなん?は一旦置いといて…危険察知の面では便利?…なのか??
伏線3:まだ未使用の美容整形外科の異変
→引用文
一年前、叔父が花山病院の隣にあった空き地を買い取り、新たに美容整形外科を開くことが決まっていた。既に建物は完成している。〜中略〜
「今朝、職員が出勤した時、美容整形外科病棟の玄関の照明がついたままになっていたそうです」〜中略〜
建物自体はほぼ完成していたし、必要な設備も整っていたが、まだ診療を始めてはいなかった。〜中略〜
私も外科医だが、美容整形外科は医大で専科を選んだ医師でなければ診断も手術も難しい。〜中略〜
三つ目のドアを開けると、二台ある手術台の手前の床に柏手先生がうずくまっていた。胎児のような姿勢で私を見上げた顔が涙で濡れ、頬には茶色の汚物がついていた。吐瀉物だった。
伏線3に対する考察
誰も使わないはずの病棟の明かりをつけた犯人は、
「リカ」と、「リカによって家族を人質に取られた柏手先生」でした。
リカは「大矢の恋人である真由美の顔」になりたいがために、外科医である柏手先生を脅迫し、美容整形を依頼していました。
その際に、営業は開始していないが設備は揃っている美容外科病棟での施術を希望します。
◾️リカの要望:
・自分の顔を「大矢の婚約者」の顔に変える手術を行なってほしい
・手術が終わったら、大矢を新設美容整形外科に連れてきてほしい
・警察には言うな(言いたければ言ってもいいが、人質の場所は言わないまま姿を消す)
◾️柏手先生の要望:
・人質に取られた妻と娘の居場所を教えてほしい
めちゃくちゃ不公平な取引がリカらしいですよね。取引というか脅迫ですが。
柏手先生も相手が普通の人だったら、警察に連絡したのではないでしょうか。
でも、何をしでかすか分からないリカに脅されたら従ってしまうのは、想像できてしまいます…
冒頭でちょくちょく触れられていた美容整形外科が、最悪の舞台になってしまいましたね。

家族を人質に取るのはずるいじゃん!!そんなの従うしかないじゃん!!
今作「リハーサル」で出てくる「前作と繋がる表現」

→引用文
バラバラにした手や足、胴体をビニール袋に詰めて、車から適当に海にほうり込んだ。本当は昌史さんの頭も一緒に捨てようと思ってた。だけど、やっぱり捨てられなかった。〜中略〜
いつかまた、恋をすることがあったら、その人にはリカより長生きしてほしいな。もし目も鼻も口も手足もなくても、生きていてくれたらそれでいい。

時系列で言うと、「リバース」→「リハーサル」→「リカ」→「リターン」です!!
目も鼻も口も手も足もなくても、生きていてくれる恋人が欲しいリカ
リカは、大矢では叶えられなかった「愛する人を、自分のものにする」を本間隆雄に求め、そして見事に成功させています。
→リカシリーズ第1弾「リカ」引用文
「あの女は、ここで、この手術台で、被害者の、本間隆雄の体を、バラバラにしたんです」言葉が次々に紡ぎ出されていく。「指を、手のひらを、肩から先を、足首を、脚を、あの女は全て切り取ったんです。そして、まるでクリスマスツリーのオーナメントのように飾りつけたんです」〜中略〜
「きれいに揃えて、並べてあったんです。そこに。それだけじゃない。舌も、耳も、唇も、鼻もだ」〜中略〜
「あの女は、その作業を、麻酔をかけて、外科手術の要領でやってのけたんだ。あの女は全身麻酔をかけて、本間隆雄の体を切り刻んでいったんだぞ」〜中略〜
「あの女は、腕を、脚を切断して、そして本間の体を持ち去っていったんです。どういうことかわかりますか、課長。さっき俺は鑑識に聞いたんだ。切り取られた器官には生体反応があったと。それがどういう意味だかわかるか。本間隆雄は、それだけのことをされて、まだ生きているんだ」〜中略〜
「医者の話では、本間の意識は後数時間で戻るそうです。腕も脚も、目も耳も舌も既に無くなっているのに、脳だけは機能しているんです」
→リカシリーズ第2弾「リターン」引用文
「どこに隠れていたのかは不明だが、この十年間、リカは本間と共に暮らしていた。手も脚もない本間とだ。目もなく、舌も耳もない人間とどんなコミュニケーションを取っていたかはわからないが、とにかく二人は奇妙な同棲生活を送っていた。十年が経った。十年だ」〜中略〜
「そして、本間隆雄が死んだ。解剖の結果、昨日の午前中に死んだことがわかっている。死因は窒息死。食べ物を喉に詰まらせたことが直接の死因と考えられている。諸君、重ねて言うようだが、今朝発見された死体は殺人事件の被害者ではない。あくまでも死体遺棄事件なのだ」

こんな恐ろしい内容で、成長を感じさせないで欲しい…
リカシリーズ第1弾「リカ」に登場する、探偵原田の調査結果
👇探偵原田が、花山病院で以前働いていた「倉田」に話を聞きに行った内容です。
繋がってる!!と思いましたが、あまりリンクはしていないように感じます。
「リハーサル」で階段から突き落とされたのは婦長(全身麻痺の重症)ですし、車に撥ねられたのは倉田で、受付嬢はリカの嫌がらせが原因で女性患者にブチギレられたのがきっかけになり、花山病院を辞めています。
他にもリカが起こした未解決の事件に関しての内容は「リカ」と「リハーサル」では設定が違います…そのつもりで読んでいただければ幸いです。
→リカシリーズ第1弾「リカ」引用文
「ある看護婦の財布がなくなったのが始まりだった。次は別の看護婦のロッカーに動物の死体が投げ込まれた。そして花山病院の受付嬢が車に当て逃げされて骨折するという事件が起きた。同じ日の夜、小児科勤務の女医の家に無言電話が五十回以上かかってきた。退院した女性患者の家に小包が送られてきたが、開けてみると精液の詰まったコンドームが入っていた。婦長の家が放火され、逃げ遅れたペットの犬が死んだ。そして、倉田看護婦も誰かに病院の階段から突き落とされて、足を捻挫したことがあったという」
👇今作と関連のある前作を読み返したい方はこちらから👇
管理人が選ぶ狂気名場面トップ3

トップ3:院長を懐柔するリカ
→引用文
「…マさフみは、イイあイテをミツけたナ…」呻くような叔父の声に、違うんですと言いかけて、思わず口を押さえた。叔父が笑っていた。「やサしィコだ…ぃまマデのかンゴふとハチがウ…アイつらはミンナおなジダ…ワシのことヲメイわくガルだけデ…リかハチがう…おマエをみナオしたヨ…」大量の涎が胸元を濡らした。甲斐甲斐しく、リカがそれをふき取っている。〜中略〜
叔父の右手が、リカの手をしっかり握りしめていた。いつの間に、これほど親しくなったのだろう。〜中略〜
「カタくるしクカんがえるこトハナい。シゴともダいじだガ、プライベーともタイセつにしなけレバイかん。ソウだよネ?」
叔父様のおっしゃる通りです、とリカが叔父の頭を胸に抱き寄せた。不意に吐き気が込み上げて、壁に手をついて体を支えた。
これはキツイですよね。尊敬していた叔父が懐柔されていくのを見なければいけない大矢が、ことごとく不憫でなりません。
後々、他の看護師たちからも「叔父とリカは不適切な関係にある」という表現が出てきます。
大矢の逃げ場を一つ一つ潰していくリカの頭の良さにゾッとしました。
トップ2:「大矢副院長と付き合っている」と言いふらすリカ
→引用文
「副院長の方から交際してほしいと申し込んだそうですね。それも驚いています。勝手なイメージですけど、副院長ってそういうことをはっきり言わないタイプだと思っていたので…」〜中略〜
「更衣室で何人かの看護婦に話していたそうです。言っておかないといけないと思うんだけどって、かなりもったいをつけたらしいですよ。他の人には言わないでと口止めしたとも聞きましたけど、別の看護婦たちにも副院長とお付き合いすることになったと言っていたそうですから、女心ですよね。嬉しくて黙ってられないんですよ、きっと」
う〜。恐ろしい。でもこれって、リカ本人の中では「事実」なんですよね。嘘じゃないんです…
大矢の前でさえも一貫して「昌史さんの彼女である私」としてずっと会話してますからね…
トップ1:真由美の皮膚で顔面パックするリカ
→引用文
「あの女は自分の顔を変えてほしいと言ったんです。それは難しいと答えました。美容整形外科の専門医ではないし、技術もないと…でも、奥さんと娘さんのことを考えて、とあの女が…選択の余地はありませんでした。」〜中略〜
「見本になる顔があるとあの女が言いました。その顔と同じにしてほしいと…わたしの技術でできるとは思いませんでしたが、言われた通りするしかないじゃないですか。」〜中略〜
「わたしは…あの女が写真を持ってくると思っていたんです。タレントか女優か、そういう写真です。でも違いました。あの女が持ってきたのは…真由美さんの顔そのものだったんです」〜中略〜
この顔にしてほしいの。こういう顔になりたいの。だって、昌史さんはこういう顔が好きだから。あの女は歌うようにそう言ったんです、〜中略〜
「前頭部からメスを入れて、そのまま顔全体の皮膚を切り抜いていったんです。目と鼻、口の部分は刳り貫くようにして、真由美さんの顔のマスクを作り、パックのように自分の顔にかけました。これで簡単になったでしょう、と笑いながら言ったあの女のおぞましい姿を、わたしは…」
クっ!!想像を超えてくる!!ムゴイ!!写真でいいよねどう考えても!!ってなりました。
それにしても、外科医に見事なメス捌きと言われるリカの腕前も「どこで練習したん?」ですよね。
リカが面白かった方におすすめの本3選

「RIKA」続編シリーズ:五十嵐貴久
リカ(2002年)
リターン(2013年6月)
リバース(2016年10月)
リハーサル(2019年2月)
リメンバー(2019年12月)
リフレイン(2021年3月)
リセット(2022年7月)
リベンジ(2023年5月)
リボーン(2024年7月)
黒い家:貴志祐介
顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。それが悪夢の始まりだった。
向日葵の咲かない夏:道尾秀介
夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。
リカシリーズの考察記事
第1弾:リカ(2002年) 考察記事



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