ゾッとする話:滑り台の男

AI小話

残業で終電を逃し、「深夜」の住宅街を歩いていた。近道のために、街灯もまばらな児童「公園」を突っ切ることにした。その公園の奥には、古びたコンクリート製の「滑り台」が、暗闇にぼんやりと浮かんでいる。

滑り台の、一番高い踊り場に、誰か座っている。こんな時間に子供のはずがない。酔っぱらいかと思ったが、その人影は小刻みに体を揺らし、肩を震わせている。クツクツ、クツクツ…かすかな「嗤い声」のような音が、静かな公園に響いていた。

全身の肌が粟立つのを感じ、俺は目を逸らして足早に公園を通り抜けようとした。その瞬間、クツクツという音がピタリと止んだ。まるでスイッチを切ったかのように。 (まさか、気づかれたか?) 恐る恐る振り返ると、滑り台の上はもぬけの殻だった。誰もいない。ホッとして、再び出口に向き直った、その時。

公園の出口、唯一の街灯の真下に、さっきの人影が先回りして立っていた。 いつの間に。 月明かりに照らされた男の顔は、なぜか無表情だった。目も鼻も何の感情も示していないのに、口元だけが耳まで裂けるように歪み、満面の笑みを形作っていた。 「みぃつけた」 男は両手を大きく広げ、まるで旧友を迎えるかのように、楽しそうにこちらへ一歩踏み出した。

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