ゾッとする話:迎えに来た先輩

AI小話

連日の深夜残業で、私の「職場」はしんと静まり返っていた。「暗い」フロアにポツンと自分のデスクだけが光っている。ようやく仕事に区切りがついたのは午前二時。私は溜まったシュレッダーのゴミを抱え、ビル裏にある「ゴミ置き場」へと向かった。そこは街灯も届かない、澱んだ空気が溜まる場所だった。

ゴミ袋をコンテナに投げ入れた時、カサリと背後で音がした。振り返ると、清掃員の作業着を着た男が立っていた。こんな時間に珍しいと思いつつ会釈したが、男は無反応だ。ただ、彼が持っている大きな透明のゴミ袋の中身を見て、心臓が跳ねた。そこには、職場のデスクで見慣れた「私の私物」ばかりが詰まっていたからだ。

「それ、私の……」と言いかけて声が詰まった。男の作業着の名札には、一ヶ月前に過労で亡くなった先輩の名前が書かれていた。男はゆっくりと顔を上げたが、帽子の影で表情は見えない。彼は袋の中から、私が今日紛失したはずの「社員証」を取り出し、当たり前のようにゴミコンテナへと捨てた。

「まだ使えるのに」と私が手を伸ばした瞬間、強い力で腕を掴まれた。 「いいんだよ。もう十分働いただろ。……さあ、行こう」 男の作業着の袖口から覗く腕は、白骨化して乾燥していた。 ふと見ると、ゴミ置き場には私の私物だけでなく、私の「デスク」や「椅子」、そして……私の「記憶」が書かれた書類が山積みになっていた。 恐怖で職場へ逃げ帰り、自分の席を確認した。そこには、全く知らない新人が、私の名前の入った名札をデスクに置き、当たり前のように仕事を引き継いでいた。 私はゴミ置き場に、社員証だけでなく「存在」そのものを捨てられ、先輩に連れ去られてしまったのだ。

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