ゾッとする話:粗大ゴミの日

AI小話

深夜、アパートのゴミ箱の横に、明日の粗大ゴミ収集のために古いタンスが置かれていた。俺も要らない椅子を運んできたところだった。そのタンスは酷くカビ臭く、所々湿っていた。まるでついさっきまで水の中にあったかのようだ。

タンスの真ん中の引き出しだけが、ガムテープで目張りされている。誰かがイタズラしないようにだろうか。いや、何かを閉じ込めるかのように、異常なほど厳重に貼られていた。俺は自分の椅子を置き、部屋に戻った。

ベッドに入ったが、どうにも眠れない。先ほどのタンスの「湿り気」とカビ臭さが妙に気にかかる。まるで、内側から濡れているような…。 その時、外から微かな音が聞こえた。 ガリ、ガリ、ガリ…。 誰かが内側から木を「引っ掻く」音。

俺は窓からゴミ捨て場を見た。 タンスが、ガタガタと小刻みに震えている。そして、ガムテープで目張りされた引き出しが、内側からの力でゆっくりと押し開かれていく。 窓の隙間から、カビとは違う、強烈な「腐臭」が漂った。そして、真っ白でふやけた子供の「手」が、タンスの隙間からぬるりと這い出てきて、俺の部屋に向かってゆっくりと手招きをしていた。

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