ゾッとする話:思い出の整理

AI小話

急逝した「友人」の遺品整理を手伝うことになった。彼は一人暮らしで、部屋の中は生前の彼の人柄を表すように几帳面に整えられていた。私は彼が大切にしていた古い文机の「引き出し」を整理することにした。一番上の引き出しには、彼が愛用していた万年筆や、私たち共通の友人と撮った写真が大切に保管されていた。

二段目、三段目と整理を進めるうちに、奇妙なことに気づいた。引き出しの奥の方に、私自身の持ち物がいくつか紛れ込んでいたのだ。一年前になくしたはずの予備の鍵、お気に入りだったボールペン。彼はこれらを拾って、返そうとしたまま忘れていたのだろうか。少し寂しい気持ちになりながら、私は最後に残った一番下の、鍵のかかった引き出しを開けることにした。

予備の鍵を使って無理やり開けると、そこには大量のノートが詰まっていた。それは日記だった。パラパラとページをめくると、そこには驚くべき内容が記されていた。「今日は彼の部屋から鍵を手に入れた。これでいつでも入れる」「今日は寝ている彼の枕元で三時間、寝顔を観察した」。日記の内容は、すべて私に関する執拗な観察記録だった。

恐怖で血の気が引いた。彼は友人ではなく、私のストーカーだったのだ。 ふと、日記の最後のページに目が止まる。昨日の日付でこう書かれていた。 「彼が今日、遺品整理に来る。僕が死んだことに気づいて、この引き出しを開けるはずだ。だから、僕は今から『一番下の引き出し』のさらに奥、隠し板の向こうで彼を待つことにする」 ガタ、と足元で音がした。 私が今まさに開けているこの引き出しの「裏側」から、死んだはずの友人の、冷え切った指先が伸びてきた。

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